翠天雑記帳 雑文


無線LANコミュニティ/2002年7月6日/No.22

東京駅の無線LAN接続実験というか仮サービスに接続に行ってみました。 私は最近どうも各地のホットスポットに出かけては、 つなげてみる遊びをしている様な気がします。これもその一環? ステーションコンセルジュという所で住所氏名等を書いて身分証明書を見せると一時IDをもらえます。 ラミネートされた紙片と説明用紙。コンセルジュからは技術的質問はしないでくれみたいな断りがあります。 分かってますって。渡された紙片で難なく接続。 使えるのは1時間って話で、もう少し長く(1日とか半日とか)ても良いと思います。 今までのフリーホットスポットと違ってWAPも設定するしセキュリティには気をつかってる点は好ましいです。 Webにアクセスしようとするとログイン画面が出てきて、 与えられたIDとパスワードでログインしなければいけません。 これなら課金するにしても簡単。時間単位だと難しいだろうけれども。 接続が何かの拍子に切れると再度ロクインしなければならないのはちょっと面倒でした。 銀の鈴近辺の地下で接続してみたのだけど、 目視でアンテナが見えてるのに何故か接続が途切れまくりました。 1Fでつなげてた時は結構大丈夫だったのだけれども。 なんだろ?1Fの電波を受信しつづけようとしてるのかな?それともこっち側の出力の問題か? DirectX8.1bを試しに落としてみたのだけど、最大1800kbpsくらい出ていました。結構良い感じです。 今は実験だから仮IDの申請にも人の手間が必要ですが、 セキュリティの問題を押さえつつ人手が必要ない方法ができあがると良いと思います。

アンケートには「無料でやってほしいに○」しときました。 東京駅みたいに巨大なビルになると維持費が月4000円って訳にはいかないでしょうけれどもね。 前回書いた Pacific Connectionの 記事に良い表現がありました。 「街には街灯があるけれど、その使用料金を旅行者から徴収したりはしない。」っていう例え。 じゃあバスや電車はどうなんだとか色々言えるけども。 無線LANのステーションを運営するための初期費用や運用経費はバスや電車に比べると とんでもなく安上がりで、無線を使う携帯電話なんかのインフラと比べてもごく安いものです。 だから無料という方法も成立します。 なんだかアフリカの街道沿いに水瓶が置いてあるのを思いうかべます。 行き交う人々と自分たちのために、地元の人が井戸や川から汲んできた水を公共に提供する 何千年も間続いている習慣です。固有名を知らないのですけども。

どのくらい安いかというとその気になれば素人が回線を引っ張り回せちゃうくらい安いです。 しかも無線通信なのに無免許でいいのです。回線を引っ張り回すってのは 文字通りコミュニティが自らの手で独自の通信網を作り上げられるっていう意味。 この例は一対一ですけども、見通し5kmの距離をIEEE802.11bでつなげています。 例えば小さな村なんかでは電話線を引っ張り回すより、安上がりで通話品質も良いってことになるでしょう。 私が学生の頃、大学の近くに学生が集まる小さなマンションがあって、 有志によってそのアパートのベランダ側では10B/TのLANケーブルがそれこそ蜘蛛の糸の様に 部屋と部屋をつないでいました。初めは4ポートのハブが申し訳程度に置いてあったのが、 次に訪ねてみると巨大なスイッチングハブに置き換わっていました。 参加していた学生は10数人くらいでしたが、今なら多分無線LANに置き換わっている様な気がします。 当時問題だった隣のアパートへ一般道路を跨いでつなげるのも無線LANなら簡単。 私の頃でそんななのだから、学生街なんか既に独自の通信網が構築されているのじゃないでしょうか? 無線LANデバイスを持っていない方が気がついていないだけで。 学祭なんかでは独自のネットラジオだって簡単に流せるだろうしもう既に活躍しているのかも。 大勢が接続した場合に、実際取れる帯域については議論の余地があると思いますが、 アパートやマンションに「ご近所」がある人々が無線LANの威力に気が付くのは、 もうすぐにちがいありません。

前世紀末にwebが引き起こしたコミュニケーションの革命は「格安に情報をブロードキャストできる」 という内容でした。そこらにある中古パソコンにフリーのOSを乗せて、 (フリーの)httpdを動かし常時接続回線につなげば良いと。でも通信手段には電話線が使われていました。 これには固定額とはいえそれなりに接続料金がかかります。 これからは無線LAN同士がつながることによって「格安にコミュニケーションできる」 様になるのかもしれません。なんせ一度つながれば後は電気代だけだものね。 そのうちユーザによる独自通信網だけを使って、本州の端から端までpingが通るなんてことになるかも。 そうとまで言わなくても商店街1つがフリーホットスポットを作り上げているところはあります。 巨大資本が引いた回線じゃなく、有志が運営するネットワークだけで繋がる世界なんてのが 安定に存在しうるかどうか分かりませんが、少なくとも技術上ではあまり大きな障害は無さそうです。 現実的には常時接続線への多数のゲートウェイの存在と、無線LANのブリッジ回線が 共生する様な感じになる気がします。今やADSLなんかは経済的そう負担にもなりませんし。 例えば秋葉原なんかなら各店舗での技術力も十分あるだろうから、 核になるマシンへ接続する無線LANステーションが広がっていって、 ネットワークが成立していっりしたら面白いなと思います。 あとは無線LANステーションを安全に公開する「正しい広げ方」を 具体的に解説してくれるページがあれば良いだけかも?