翠天雑記帳 雑文


開戦/2003年3月21日/No.23

イラク侵攻の戦争に反対である。むろん圧政からの解放を否定する訳ではないが、 今回のイラクへの進行はどう考えてもブッシュ政権の侵略。 フセイン政権はそれなりの弾圧や圧政をやってる訳だけど、 かといってミサイルを一方的に打ち込んでいい訳がない。 積極的に反戦活動する訳じゃ無いので、無意味な一般市民であることは変わりないのだけど。 折角日記書いてるのでそのくらいの意見表明はしといてもいいだろう。 こうやってつぶやいてここを見てくれるほんの数名に、 あああいつは戦争反対なんだねと分かってもらうだけだけど、 TVやWeb見て脳内で色々思って寝るだけってよりはまあちょっとマシなんじゃないか。 サイバースペースにそんなことを垂れ流してもいい場所があるってのは嬉しい。

日本では第三者でいることを美徳とするようなところがあるけど。それだけではだめだ。 必要な時には自分がどう思っているのかはっきり表現しなければ…(ってほんとに傍観者ですけどね…)。 評論家のようにネオコンや軍産複合体がどうとか日米同盟がどうって言うこともできるだろうけど。 それはなんだか傍観者でいるよりむなしい。 今ブッシュ政権が戦争をしかけて死んでいく人間と、今後フセイン政権が殺していく人間と、 どっちが多いかと考えると分からないし感情的でなんともダメっぽいのだけど。 でももっと生身の感覚に近いところからきている。私は完全に戦後生まれで戦争を知らない訳だけど、 でも爆弾が降ってきてその下で死ぬ一般市民がいることを想像することくらいはできる。 ただそれだけのことだ。

…閑話休題。アメリカ国内では海外のWebのニュースサイトが人気があるのだとか。 既存メディアが右へならえな中で、もっと様々な情報を得たいのだろう。 Blogも大人気なのだそうで。自由に報道してるのはWebだけだとかいう話も。 個人の報道に力をつけるのが衛星携帯などの比較的新しい情報機器だ。 イリジウムスラーヤエイシス といった比較的新しいものから昔ながらのインマルサットまであるが 現場のリポートを直接的にはどこの検閲も(イラクも、記者の自国のも)受けずに 直接Webに掲載でき、その利点は大きい。 イラク日記はそんな将来の姿を感じさせる。 普通の国際電話での送信の様でチェックはされてるようだし、 今回は一般の電話が通じてる(電話局と発電所を爆撃してない)のが 今までの戦争と違うところなのだろうけど。 人間の盾として現地に行った人も衛星携帯持ってその場の状況を伝えられるのだったら それはもう立派な報道になったはずだ(入国時に取り上げられるのかもしれないけど)。 その場の状況を伝えるのはもう報道関係者だけの特権じゃない。 衛星電話はスピードが出ない(イリジウムで2400bps、インマルサットで4800bps程度で 初期のパソ通を思い出させる感じ)けれど、文字だけの情報でも伝わるものは多いだろう。 これらよりは大きいけれど、もうちょっと速い 衛星放送システム (SWE-DISH Satellite Systems)があるのだそうで、 スーツケースサイズで2Mbps出て一人で運用できるそう。 そのうちビデオカメラに衛星電話がくっついたようなシステムを作れる衛星が出るかも。 Webとの組み合わせで報道がどんどん個人のメディアになってきている。

火山噴火の時も一番信頼できて、状況が分かったのは現地の人のwebサイトだった。 報道各社が流す情報はどうにも綺麗に加工されすぎていた。 素人のWebサイトは荒削りだけど何が必要なのか、どんな問題が起きているのかよく理解できた。 TVなどのメディアは専従の訓練されたプロが報道を行う点が良いところだけど、 取材した生の大量の情報は必要なサイズにサマリーあるいは修正を施されてしまう。 TVの報道も最後は一人の人物が行った取材に行き着く訳で、 組織だった活動をどうするかという問題はあるけれども、 Webとの組み合わせで個人の「報道」が大きな力を持つようになってきている。