翠天雑記帳 雑文


カラオケ嫌い/1999年月12日27(月)/No.12

ラオケ…最近はDDRしながら歌っちゃうのとか、 ビデオテープに撮りながら踊っちゃうのとかまであるそうで、まあその進化っぷ りはすんごいのだが、何でそんなにみんなカラオケ行くのだ?歌を歌うのが楽し いってのは認めよう。思わず鼻歌歌っちゃう瞬間なんて誰でもあるだろう。しか しカラオケに行ってやらなくてもいいではないか。あんな密室で大勢集まって何 をしてるのだ。しかも人の歌なんて聞いちゃいねーんじゃねーの?

私の回りにはカラオケ嫌いの方が何人かいるので彼らを紹介しよう。まずT 島君。彼はとにかくカラオケ嫌っている。と思う。彼は口では「行かない」とは 言わないが、カラオケ屋に入るなり「眠くなったから寝るわ」と言って擬死モー ドに入る。もうゆすっても何しても起きないのだ、いや意地でも起きないと言っ ていいだろう。狸ねいりなんである。彼のカラオケに対しての無言の抵抗を見て 取れる。ああ君の気持ちはよく分かる。私もそれにつきあいたいよ。だいたい人 に歌を強要すんなっちゅうんだよ。俺は歌いたくないんだ。

私はまあ、つきあい程度には行くのだけれど、歌うのは1曲くらいだ。しかも 何年前の歌なんだか知らないような寂れた曲を毎回歌う。しかも誰も知らなかっ たりするのが悲しい。他に曲を知らないの?知らないんだから歌いようがないの だ。だいたい覚えようと言う気がない。歌なんてもんはプロが歌うのに任せてお けばいいのである。

だいたいカラオケ屋に行ったってあの歌本はなんとかならんのか。私の知っ ている歌手など一人も出てこない。曲名だってしらない。カラオケ屋に行くとま ず歌える曲を探すのに苦労するのだ。まず曲の10割は知らないね。10000曲あっ て1曲歌えるのがあるかどうかという頻度だ。そんなんだから、えーとほら、あ の、サビがこんな感じで。曲名が分からないのだ。将来の人工知能歌検索システ ムに期待したい。

だいたい新曲なんて入ってヒットチャートに載ったかと思えばあっというま に消えていく。そんなんじゃ覚えられるはずが無いじゃないか。ああ、確かに歌っ てる歌を聴けばああこれはCMで流れてたな…という歌はありますよ。だけどそれ はサビだけの話だ。サビだけ歌えてもカラオケにはならないのだ。覚えるにはCD なり全部聞かなきゃならない。歌買って歌詞を見てとそこまでして覚える気など さらさら無いのである。まあとにかく歌謡曲ってのを知らないのが主な理由で、 行っても歌う曲が無い。そりゃ「童謡」だの知ってる曲はあるよ?でもカラオケ 屋なんて一人で行って歌うわけでは無いのだ。たとえ誰も聞いちゃいなくてもそ れなりにBGM的に流れるのである。うける曲とか、誰もが知ってる曲とかを選ば なきゃいけないのだ。この無言の強制が嫌だ。歌い始めの頃はノリのいい曲を選 ばなきゃいけないとかそういうのが嫌だ。歌いたい曲を歌わせろっちゅうんだ。

カラオケ嫌いの方をもう一人紹介しよう。ノノやん。彼は営業職だってのに カラオケが大の苦手だ。ともかく歌える曲がないのか、とにかくカラオケ屋に行 くのを拒む。仕事では行ってるのかもしれないけれど。彼は酒好きだしつき合い 悪いどころか、何かあれば飲み会という奴だ。だがカラオケ屋だけは拒む。一度 無理矢理歌わされた彼の歌を聴いたことがあるのだが、音痴ではない。だが歌い 方はかなりやけだった。ああもう歌えばいいんだろ、俺が歌えばこの場がまるく 収まるんだろと言わんばかりの歌い方だった。ああわかるわかるよその気持ち。 連中ときたら一度勢いが付くと止められないからな。一気飲みはカラオケでも起 こるのだ。

カラオケが嫌いな理由にもう一つ、音痴がある。聞いた話では「喉悪」と 「耳悪」があるそうで、自分の音が外れてるのが分かるのに、正しい音階を出せ ないというのと、自分が正しい音階を出せていないのが分からないという違いら しい。私は声が出ない。音域が狭いというのか。高い音から始めるとサビは全然 届かない。かといって1オクターブ下げると全然低いほうが出ない。結局うまく 歌えないときている。なに?音階を変えればいいだろ?あれはいかん。まず変え ると正しい音が分からなくなるのだ。

これは余談になるが、音痴と言えばもうとんでもない音痴っている。イワさ んすんませんちょっと話に出させてもらいます。彼の音痴はすごい。何か浪曲を 吟じてる様な感じでまず音程の上下というものがほとんどないのだ。リズムも全 く合っていない。もうそこまで行っちゃうと、音が変で聞いてて不快だというこ とはなくて、ただマイクを持ってしゃべってんじゃないのか?という感じの音痴 なのだ。ところが彼はカラオケに行くと楽しそうに結構何曲も歌うのである。彼 はセンパイなので、「へたくそ」とは言えなくて、自分の音痴をどう思っている のか分からないのであるが、少なくとも彼はカラオケが嫌いでないのは確かであ る。雰囲気からして逆に好きであるかもしれない。彼は例外としても歌がうまく 歌えないからカラオケが嫌だって奴はいくらでも居るだろう。

他に嫌な所といったら結構な時間を拘束されることだ。まあ友達連中と行く 分には、歌いさえしなければ合間に話をしたりとかそういうこともできるので構 わないが、つき合いで行くカラオケ程つまらんものはない。2時間も行くなっちゅ んじゃ1時間。俺がつきあいカラオケで許せる限界は1時間だ。ちょっと考えても 見ろ。「じゃ次、映画行くか。あ、そう値段は1800円ね。自分で払って。2時間 映画だから。ん?ああ、タイトルは「清水の次郎長奮戦記4」だから。面白い よー。」絶対嫌だ。何が好きこのんで見たくもない映画を自腹で見なきゃいけな いのだ。そうだろう。これがカラオケだと何故か許されるのだ。世の中間違って る。

中には3時間4時間いや8時間オールナイトコースだとか、あまつさえ24時間耐 久レースだとかやる連中も居るそうじゃないか。ブルブル。どうしてそこまでし て歌えるかな。しかも歌わなくても金だけは払わされる。俺は1曲しか歌ってな いっちゅうんじゃ。カラオケの嫌いな奴をカラオケに誘うときはまずそいつに金 を出させるな。君が居てくれるだけでいい。そう言ってつきあってもらえ。

どうだ分かったか、俺はカラオケが大嫌いなんだ。恐れていると言っても過 言ではない。

まんじゅう怖い。


…あぁっ石、そこ石投げないで。