地球防衛軍 探訪記


画像リンクはJavascriptのWindow Popupを使用しています。 Javascript Offもしくはテキストブラウザの方は下のシンプルなリンクをどうぞ。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
入り口ネオン 看板 ビル 踏み絵 コスプレ服? 表の看板 本棚 カウンター モニター 店の奥

はじめに

地球防衛軍は2002年3月に閉店しました

市内に面白い喫茶店を見つけたので紹介しよう。 何度か地元テレビにも取り上げられているのだそうで一部には有名であり、 何を今更という感も無いではないが、私が知ったのは本当に偶然だったのだ。

邂逅

私がそのお店を見つけたのは良い駐車場を探して街を彷徨っていた時だった。 30分100円の駐車代に引かれてその立体駐車場を利用する度に気になっていた 看板があったのだ。 [入口ネオン] アヤシイ。あからさまにアヤシイ。 実は市内に同名のキャバレーが存在していて、 初めはその店の裏口か何かかと思っていただけだった。何度かその駐車場を利用 している間に、どうやらそうでは無いと気が付き、 その怪しさに引かれて入り口のドアを開けてしまったのだった。 …もう引き返せないかもしれない…。

店は商店街から一本東に外れた小洒落た通りに面しており、 歩道には看板が置いてある。ところがこの看板も…。 [看板] よく上を見ないと分からないのだが実はビルにもそれと分かる表記が。 [ビル] そう店は4階に存在するのだ。友達に連れてこられるなんてことが無いと、 そうそう入ろうとは思わないのでは無いだろうか。その店名が…。

エレベータなどは無く薄暗い階段を根気よく4階まで上がらないといけない。 少しはお天道様に近づいているはずなのに、 アンダーグラウンドな雰囲気になってくるのは何故だろう。 ここがまず踏み絵になっていると思うのだが、 壁一面に貼られたアニメや特撮のポスターが現れる。 [踏み絵] これでフラッシュがビカビカ光っていたら 渋谷の漫画専門古本屋「まんだらけ」である。 ともかくここの踏み絵ゾーンで 店のポリシーを明確に主張している。 それはもうあからさまに。嫌と言うほどに。 売ります買いますのお客様用掲示板も存在しているが ポスターの中に埋もれていて、初見で気づくことは無いだろう。 余談だがここのポスターは毎月追加変更するのがよいと思う。 破れたポスターなんかが結構気になっているのである。

潜入

無事踏み絵ゾーンを突破できる選ばれた人間であるなら 程なく入り口へ到達するだろう。 店内に入るとドアのベルがチリリと鳴る。黒く塗られた鉄の無骨なドアだ。 マスターの「いらっしゃい」という声が響く。店内は薄暗くレトロな雰囲気となっている。 大正ロマンの様なレトロを想像してもらっては困る。 某素子少佐ならこう口走るだろう「アナクロぉ?」 そう、例えて言うなら一昔前のゲーセンの雰囲気だ。 店の隅に陣取っている不良に絡まれはしないかビクビクしながら入ったあの雰囲気だ。 誤解してもらっては困るが、店のセンス云々を批判しているのではない。 選ばれた人間へのアピールは扉を開ければすぐにこれでもかと目に飛び込んでくるだろう。 余談だが実際に稼働するゲーム台も存在している。

さてテーブルに座ってみたのだが誰もオーダーを取りに来ない。 どういうことかというとファーストフード店の様なセルフサービス方式なのである。 一見普通の喫茶店の様だが侮れない。 凹字型の店内に入ると正面にカウンターがあり、メニューが置いてあるので そこから選んで代金を支払って席に座るというシステムだ。 喫茶店にしては少々無骨と思われるかもしれないがよく考えて欲しい。 マスター1人で切り盛りしているのである。バックヤード人員等は存在しない。 客が定食メニューなどを頼んだときは大忙しだ。 フライパンをふるう音がしたと思ったら、新たに入ってきた客のオーダー取り。 出来上がったランチを客のテーブルに持っていったかと思えばレジからお釣りを取り出すのだ。 ここはマスターの労力削減の為にも美人のウェイトレス希望 と書いておこう。喫茶店に看板娘はお約束である。 コスプレなんかしてると更に良し!(いいのか?こういう方向性で?) 店内には何故かコスプレの服も吊ってあるのだからヨシとしておこう。 尚反論は受け付けない。 [コスプレ服?]

食事メニューにはかくも個性的なものが多く、 例えば「えびめし」等は是非とも賞味していただきたいのであるが、 通常私のオーダーはコーヒーだ。 もちろんオーダーが入ってから豆を挽き始める本格的なものである。 抽出が終わり暫くすると陣取った席まで届けてくれる。 やはり喫茶店である。表の看板は伊達では無い。 [表の看板]

調査

ここで落ち着いて店の中を眺めてみよう。なんとも強烈な店内だ。 壁には4000冊強の漫画が並べてあるが、蔵書はかなり偏っている。 [本棚] 一言で言わせてもらえば 「漢(おとこ)の本棚」である。 もちろん少女漫画が存在しないという意味では無い。 つまりラインナップはガロ、ノーラ等に代表される マイナー&マニア系の蔵書なのだ。 入り口右脇にある新着漫画本棚で、 毎月購入される雑誌を見てもそれは伺い知る事が出来る。 少年ジャンプ等のメジャー雑誌は普通の喫茶店で読めば良いのである。 さあ漢なら黙ってプチフラワーを手に取れ。(それは漢かというツッコミは無しだ。)

カウンター横には古ぼけたPCが動いている。 [カウンター] なんでも客に組んでもらって導入したのだとか。 その裏には最早日の目を見なくなったMacが佇んでいる。 その横にはビデオ棚とデッキ類である。ベ、βですよ奥さん。 この漢っぷりを見て頂きたい。もちろんアナログレコードは当然である。 ダイコンIVのオープニング等マニアにはたまらないラインナップも揃っている。 詳しくは実際にそのラックを見て「これは何?」とマスターに尋ねてもらいたい。 恐るべき蘊蓄を語ってもらえるだろう。 その脇には巨大なスピーカーと3台のモニタだ。 [モニター] 一台はかなり大きなプロジェクター。開店当初から存在したものらしく、 当時は映画館から苦情が入ったとかなんとか。 21世紀となってしまった今となっては少々年代物の感を拭えないが、 つまりこれが店の歴史というものだろう。1984年の開業だそうだ。 今後の最新型業務用液晶プロジェクタかプラズマディスプレイの導入が楽しみである。 コンシューマゲームマシンであるプレステ等も存在している。買ったゲームを 家まで持ち帰るのが待てないなら、ここで試用してみるのもいいだろう。 余談だがHALはもう木星に到達しようという頃だしDVDくらいは見られるとありがたい。 こと店内の(新しい機器の)AV環境に関してだけは苦言を呈しておこう。

店の奥に入っていくと何故か卓球台にビリヤード台が存在する。 [店の奥] 残念ながら私は使用したことが無いのだが、カップルが卓球に興じているのを 目撃したことがある。健康的だ。これでフルーツ牛乳があれば申し分無いだろう。 その横には長めのシートが存在する。ここは入り口から一番奥まった所になり、 コミックイベントの企画会議が行われることも多い。 運が良ければ机の配置やイベントの方向性等に熱い議論を咲かせている 面々を目撃することができる。 県のコミック系イベントシーンにおいて重要な密談場所となっているのだ。

この店には2匹の猫がいる。一匹は黒猫で普段は店の高いところから じっと我々を見下ろしている。テレビの上にいることも。暖かいからなのか? もちろん喫茶店の猫だけあって愛想というものを分かっている。 時折降りてきてはお客に「にゃ〜ん」と可愛さを振りまく。 その実、裏メニュー「ねこまんま」の匂いにつられただけなのかもしれない。

脱出

ともあれこれでどんな店かだんだんと輪郭が見えてきただろう。 恐れることはない。 ここまで読み進めて一度でもニヤリと笑った貴方なら踏み絵ゾーン突破は可能だろう。 カウンターでオーダーを入れ、代金を支払ったら、 目にひっかかったマイナー漫画を本棚から取り出して席に着こう。 読み進むうちにオーダーしたメニューが届くだろう。疲れたら店のビデオを見たり ビリヤードで遊ぶのも良いだろう。仕事が一段落して暇そうなマスターを見つけたら 最近のお勧め漫画等を尋ねるのもいいだろう。 ふと気が付くともう夕方だ。気が付くとうす暗い店内に窓から射していた光も消え、 かわりに室内灯が照り、外は暗くなっている。 そろそろ帰るか。本を戻し、入り口のコート架からコートを取り出す。 鉄の扉を開けて店を出るとマスターの「ありがとう」の声が響く。 ドアのベルがチリリと鳴る。そして扉を閉めながらいつもこう呟くのだ
「またつまらぬ所に来てしまった…」
こうして私の秘密基地通いは続くのだった。


所在地

所在地図


喫茶地球防衛軍 - Terrestrial Defence Force -
地球防衛軍は2002年3月に閉店しました
住所:岡山市表町2-6-45
営業時間:午前12時〜午後11時
電話:086-23-4910
定休日:毎週火曜日
「ここでねマピオン」による 位置情報
Palm用画像ファイル (Image Viewer Format)


Report & Photo & JavaScript by OHTAKI Naoto
Copyright © 2000 OHTAKI Naoto